CD : 「MILES DAVIS BAGS GROOVE」
世の中に、ジャズブルースは星の数あれど、こんなに凄い演奏はちょっと聴けないなぁ…。
発端は、新進気鋭のマイルスが「俺のソロのバックではピアノを弾くな!」と、モンクに言ったことから始まります。
世に言う「クリスマスの喧嘩セッション」です。マイルスは、時代を担うスターで、演奏も、無駄な音を極力省き、見事なソロを聞かせます。
対して、モンクのソロは、調子はずれ、不協和音で決して流麗なピアノではありませんが、不思議な魅力に溢れています。ジャズがテクニックを競う音楽じゃないのが良く分かります。
二人の天才により、緊張感溢れるアルバムですね。モンクが「真夏の夜のジャズ」に出た時のMCが秀逸です。
「次に登場するプレイヤーは、非常に独創的な音楽のクリエーターです。
彼は自分の音楽を生き、自分の音楽を考え、人生そのものが音楽という人物。
彼は尊大なわけではないが、自分の音楽への批判は気にしません。彼が探求しているものは、西洋音楽にはない四分音です。
ピアノの隣り合う2つのキーを叩き、その間にある音を“暗示”します。それこそが、「セロニアスモンクです」。